ニッケルを用いた製品
ニッケルの特徴のところでも書きましたが、腐食しにくく加工しやすいことが主な特徴ですが、他の元素と合金、化合物として使われることがほとんどです。
実際にどのようなものに使われているかを見て行きましょう。
鋼材
ニッケルの使用量としては圧倒的な量になります。 ニッケル(Ni)を用いた鋼材の代表的なものをあげます。
| 材料名 | 組成(wt%) | 主な特徴 |
| SUS201 | Fe(鉄)はベース材 Ni (3.5~5.5%) Cr (16~18%) Mn (5.5~7%) N(0.25%以下) | 錆びにくい |
| SUS304 | Fe(鉄)はベース材 Ni (8~10.5%) Cr (18~20%) | |
| インバー | Fe(63.5%)Ni(36.5%) | 熱膨張が小さい |
| スーパーインバー | Fe(63%) Ni(32%) Co(5%) | 熱膨張が小さい |
| インコネル625 | Niベース Cr(21.5%) Mo(9.0%) Fe(2.5%)Nb+Ta (3.6%) Nb+Ta 3.6 | 耐熱性、耐蝕性などの高温特性に優れる |
元素記号の確認は、こちらの周期表へ
ステンレス流し台(SUS)
ステンレスといえども他の金属と接触していると電蝕という現象が発生し錆びますので注意しましょう。

食品や化学,薬品など様々なプラントでも使われます。

スペースシャトル
インコネルが使われています。
インコネルは、ニッケルをベースとし、鉄、クロム、ニオブ、モリブデン等の合金でインコ社の商標です。

インコネルは高温での特性に優れ、耐熱性,耐蝕性,耐酸化性,耐クリープ性などがあります。スペースシャトル、原子力産業、産業用タービンの各種部品、航空機のジェットエンジン等に使われます。
記憶形状合金
ニッケル:Niとチタン:Tiの合金は形状記憶合金と呼ばれています。 形状記憶合金とは、塑性変形した場合でも熱を加えれば元の形状に戻る性質を持つ金属合金のことです。
形状記憶合金には形状記憶効果だけでなく超弾性という性質も持っています。
女性用下着(ブラジャーのワイヤー)

記憶形状合金を最初に大量に使い始めたのが下着でした。
携帯電話のアンテナ
こちらは超弾性の性質を利用したものですね。

水素吸蔵金属
2次電池の電極材としてニッケルの合金が使われています。
ニッケル水素電池、ニッカド電池(ニッケルとカドニウムの合金)をあげることができます。
ニッカドの場合はカドニウムの人体への悪影響があるためほとんど使われなくなっています。

ニッケル水素電池
燃料電池
Ni-ZrO2が燃料電池の欠かすことができない電極として使われています。
トヨタ自動車が実用化した燃料電池車
硬貨
日本における50円硬貨や100円硬貨は銅とニッケルの合金である白銅貨である。
5セント硬貨

100円 50円
磁気カード
酸化ニッケルが磁性体として使用されています。ニッケルめっき
ニッケルめっき は耐食性にすぐれ、展延性にも優れ、適当な硬度があるなどの優れた特性から、めっき工業に極めて重要なものです。
家電、自動車などに使用される鉄鋼製品の耐食性確保のために塗装の下地などに用いられます。

自動車の塗装の下地